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城繁幸氏 「時限発火式ナマポ爆弾」
2012-06-11 Mon 19:05
 久しぶりに本格的な世論誘導の典型例を見つけましたので、全文を転記します。
 皆さんは、この文章にいったい幾つの悪意の誘導を見つける事ができるでしょうか。
 さぁ、実力判定テストの開始です。



[以下、転記]

 芸人の母親が生活保護を受給していた問題に端を発する「有名人親族による生活保護受給問題」は、その後、芸人以上に浮き沈みの激しい政界にも波及。複数の議員の親族に生保受給者が発覚したことにより、この問題は国を挙げての大論争となった。

 「有名人なのに親を養わないなんて、けしからん!」道徳心に富み(他者の)不正を憎む国民の怒りは野に満ちた。

 そんな中、野党第一党である自民党は「生活保護不正受給の徹底した取り締まりと、親族扶養義務の厳格化」を掲げ、総選挙で大勝。この運動の提唱者であった片山さつき厚生労働大臣のもと、ついに国は、「一定の年収がある人が3親等内の親族がいた場合、原則としてまず親族が扶養すべし」
という形で生活保護法改正を実現した。それまでは基準のない倫理規定に過ぎなかった扶養義務を、明確な基準と共に明文化したわけだ。
目安としては、年収600万円というラインが設定された。当初は年収1000万円以上が想定されたものの、「そんな基準に設定したら、ほとんどの国民が対象になってしまう」という厚労省の強い反対によって、サラリーマンの平均賃金に近い水準が採用されることとなった。

 「よっしゃあ! 吉本ざまぁ!」 生活保護法改正のニュースに、32歳会社員の山本君は、部屋で一人ガッツポーズを決めた。彼も、ネットで吉本たたきに熱を挙げた一人だ。テレビに出ているだけの芸人が、自分の何倍もの年収を貰えるのは許せない。まず親族が面倒をみろ。一族の家でも車でも売り払え。それでも無理なら、税金で面倒見てやってもいい。それが彼の持論である。
 「あーすっきりした。これで寄生虫どもも一掃だね」

 ただ、実際にはこのニュースは世界では驚きを持って伝えられた。「成人に対して親族による扶養義務化だって? オゥ、ジャパンは相変わらずクレイジーだ」先進国で成人後の大人の扶養義務を国民に課している国は日本くらいだ。ビル・ゲイツの親兄弟だって、生活に困ったら公的扶助を受けられる。成人したら完全に個人として扱い、そのための原資は所得に応じてみんなで負担する。それが近代的社会保障の原則であり、他国はそうやって古い社会から開かれたオープンな社会へと進化してきたのだ。そんな中、まるで戦前に先祖返りするかのような日本の決定は、他国からは奇異の目で見られた。とはいえ、山本君のような国民の多くは、そんなことも知らぬまま、有名人が謝罪会見を開くたびに歓声を上げて騒いでいた。

 やがて社会はゆっくりと、だが確実に変わり始めた。親兄弟が貧乏であることは重大なリスクだ。リスクは排除しなければならない。女性誌は堂々と「親族に生活保護受給者がいるオトコの見分け方!」という特集を組むようになった。実家が貧乏だったり、兄弟姉妹にニートや引きこもりがいる人間は結婚対象外だ。
 大企業も、社員の働きぶりに影響が出ることを恐れ、面接時に親族の生保受給者を調べるようになった。結婚相手や求職者の身辺調査が一般的となり、興信所はかつての活況を取り戻しつつあった。結局、実家が貧乏な人間は結婚も就職もしにくい社会になった。
 もっとも、お互い貧乏人同士なら、相手の親族に生保受給者がいようがニートがいようが気にする必要はない。上流家庭出身者は大企業に入って同じ階層出身者と結婚する一方、貧乏家庭出身者はブラック企業に就職し、同じように貧乏な人と結婚するようになっていた。社会には目に見えない壁ができつつあった。

 さて、時は流れて2030年。山本君もいまや50歳のいいオッサンになっていた。2人の子どもも順調に育ち、家のローンも終わりが見えてきた。順風満帆の人生と言っていい。そんな彼のもとに、役所からある日1通の督促状が届いた。
 「貴殿のお兄さんが生活保護を申請され、本人に生活能力がないと判断、今月から支給がスタートしました。つきましては唯一の3親等内親族である貴殿には、お兄さんの扶養経費の補助として、これから毎月10万円ほどを納付していただきます」
 2歳年上の兄は、ずっとフリーターとして暮らしていたはずだが、もう10年以上会っていない。慌てて役所に電話した山本君に対し、役所の職員はそっけなく答えた。
 「年収500万円以上の親族は扶養できない特別な理由が必要なのです。あなたは昨年度の年収600万円の正社員で、マンションの資産価値および預金残高からも、十分な扶養能力ありと判断した次第です」以前なら、子どもが2人いれば年収1000万円未満の人間なら扶養義務は免除されたらしいが、財政危機が顕在化する中、自治体は裁量的に運用基準を引き下げていた。

 「し、しかし……」
 「支払っていただけない場合、会社に差し押さえの通知が行くことになりますが、よろしいんですね?」
 「わ、わかりました……」
 日本中で、同じことが起きつつあった。

 日本の年金制度はサラリーマンを中心に設計されているため、非正規雇用労働者が職にあぶれ出す50代以降、彼らの多くが生活保護に殺到するだろうという予想は、早くから多くの識者がしてきたことだ。だが、年金制度の一元化等、抜本的改革に反対する自民党が政権復帰したことで、この問題は放置された。もっとも、今にして思えば、親族扶養義務化が彼らなりの対案だったのかもしれない。また、団塊世代の親が亡くなったニートも、続々と生活保護に流入し続けていた。もちろん、最優先でその費用を負担するのは、彼ら自身の兄弟姉妹である。高齢フリーターやニートによるナマポ申請の波は「親族の扶養義務」という防波堤に阻まれ、彼らの家族のもとに流れ落ちていった。
 本来は、もっと早い段階で、年金制度の一元化や積立方式への移行等、社会保障制度自体の持続可能性を高める抜本改革に着手しつつ、そこから古い「家制度」の名残を一掃しておくべきだった。そういった抜本改革をやらないまま、芸人叩きでお茶を濁した結果がこれである。いうなれば、山本君は「20年後に大爆発する時限発火式ナマポ爆弾」を自分で自分にセットしたようなものだった。もちろん、元々バリバリの上流家庭出身の片山、世耕両議員は、ナマポ爆弾なんてものとは無縁の余生を楽しんでいる。

 ところで「親族の扶養義務強化」によって、不正受給者は減っただろうか。不正受給率0.4%という数字自体は横ばいのままだ。当たり前の話だが、もともと収入のある親族がいたからといって生保受給するのは違法でも何でもないのだから、そこを締めあげて不正受給が減るわけがない。
 こっそりバイトをしつつ受給する人間、他人名義に変えたマンションや車を持ちつつ受給する人間、裏社会で仕事をしつつ受給している人間など、本物の不正受給者たちは、ホッと胸をなでおろし、その後も平和なナマポライフを謳歌している。

 彼らにとって、有名人の親族絡みのドタバタは、問題の本質から目をそらしてくれる格好の煙幕になったわけだ。

 そうそう、不正受給自体が減らなかった一方で、一つだけ増えた数字がある。自殺者数だ。

 「子どもさんや兄弟はいらっしゃるんでしょう? でしたら、まずはそちらに相談してください」という強力な武器を、行政は惜しみなくフル活用した。
 もちろん、不正受給者や平気で戸籍を抜くような図太い人間は自殺なんてしない。自殺するのは、常識のある人や気弱な人、そして子どもに迷惑はかけられないと思うごく普通の日本人である。

 結局、山本君は嫁と相談した結果、下の子どもを大学に進学させることを諦めた。もともと勉強のできる子ではないから、本人も納得している。でも、もしこの子が将来フリーターになって、50代になって生活保護を申請したとしたら……。長男はその重みに耐えられるのだろうか。日本中で、貧乏が再生産されつつあった。

 「これじゃあ、おちおち子育てもできないな。だいたい、生まれによって人生の選択肢が決まってしまう社会なんておかしいよ。国は親族に頼らなくても済むような新制度を早急に作るべきだ」
 話を聞くだけだった嫁が、ぽつりとつぶやいた。「でも、それって昔の生活保護制度と何が違うの?」

[転記終了]
http://www.j-cast.com/kaisha/2012/06/04134359.html?p=1




 では、答え合わせといきましょう。


1つ、  話題になっている芸人さん達の問題は不正受給です。

 最初にこれを言ってしまうとつまらないのですが、余りにも低俗な誘導なんで最初に指摘しておきます。今、話題になっているのは『不正受給』言わば『詐欺事件』です。やれ、親族の面倒は・・・と、TVの全力を挙げてバカな視聴者の目を逸らす事に必死になっていますが、吉本の芸人さん達は故意に法律の網を縫って、不正に生活保護費をかすめ取っていたのです。
 そうすることで、彼等は5000万円の年収を受けながら、毎年家族でビジネスクラスを使って海外旅行をしまくり、ポルシェを乗りまわしていたのです。
 TVはこれを「親族を扶養する義務だなんて、変だ」と、議論を完全にすり替えてしまっています。


1つ、  近代社会では家族を扶養しないって・・・

 やれ、『近代社会補償の原則』だとか、『ジャパンはクレイジーだ』とか妄想をさも本当に言われたみたいに書いてみたり、親族を扶養することを『古い社会』だとか、『戦前に先祖返り』と言ってみたり、挙句の果ては『他国から奇異の目で見られた』ですか。
 散々な言い様ですが、家族を扶養する行為は悪い行為なんでしょうか。
 確かに今の日本人は自己中心的ですから、ワザワザ自分で稼いだ金を親類の為に使うなんて奇特な人は天然記念物ものでしょう。しかし、腐った日本人と違い、道徳のシッカリした欧米ではボランティア活動も活発です。ビル・ゲイツ氏を例に出すまでも無く、自分が築いた資産を恵まれない人々の為に使うような人が、恵まれない親類を放っておくとは思えませんが。普通の人でも、それこそ普通に助け合っています。
 むしろエセ・ボランティア精神しか知らない日本人は、名声欲しさに親類よりも知らない人への寄付を優先するかもしれませんね。
 本当に考えるべきな事は、城氏が言うような『古い家族制度の一掃』どころか、家族制度に代表される、日本人が本来持っていた美徳をどうやって復活させるかです。
 ヨーロッパや南アジア、南米の国々がかつて羨望の眼差しで見ていた日本の美徳は、城氏などに代表されるエセ進歩人によって粉々に破壊されました。
 この城氏のように、なんか知識人ぶって、日本人を腐らせることで飯を食う人って早く死滅しないんでしょうか。


一つ、  入社や結婚で身辺調査が一般的になる?

 いや、今でも既にあるから。
 バブル期の女性の就職では実家から学校に通っていない人は遊んでいるとの理由で不採用になっていましたし、昔から親族に右や左の活動家や暴力団関係者がいるかの調査を行っている企業はあった筈です。
 結婚の時に、相手の家柄を調査することも(あくまでも一般的ではありませんが)相手によっては実際にあり得る事です。
 しかし、会社は城氏が言うようなくだらない事で個人を判断したりしませんし、親が何と言おうが結婚も個人同士が好き合っていれば問題ないでしょう。
 この城氏は会社には5,6年くらいしか勤めていないようですが、世間知らずの妄想家が人々を脅しているだけでしょう。
 基本、今と何にも変わりません。

 また、支払わないと会社に差し押さえの通知が行くとは・・・、法的根拠が無いでしょ。それこそ個人情報の範疇ですが、他のところで煽っているように考えれば、個人情報も過剰に保護されるくらいじゃないとバランスが取れないでしょうに。


一つ、  まだいたのかジミンガー

 何で、自民党が年金の抜本改革に反対なんて設定になっているのでしょうか。ましてや、片山氏他の個人名を出して攻撃するなどは、城氏はかなり嫌らしい性格の方と見受けられます。
 明らかに、
 「自民党を政権与党に復帰させたら、酷い未来になりますよー」と、愚かな国民の頭に悪意の情報を擦り込むやり方ですが、この人達は全く同じ方法で民主党を政権党にしてしまいました。
 単に、嘘でも民主党を褒めれた状況でないので、他をコケ降ろす方法に変えただけです。


一つ、  不正受給率0.4%って何?

 出た!
 「芸人さん達の不正受給なんて、全体からすれば大した額じゃないんだよ。」って、0.4%は発覚した不正受給の割合でしょうが!
 よくも、ここまで堂々と嘘が付けるもんです。
 そもそも割合の大小は関係無く不正受給は詐欺です。断固として許してはなりません。
 また、親族が収入の低い人の面倒を見ることと、吉本芸人のような詐欺師を防ぐことは全く別と城氏も判っているでしょうに。勝手な妄想の方だけを誇大に広げて、挙句に自殺者が増えるとは・・・




この人、怪し過ぎ。
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